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海外旅行に備えるワクチン接種!接種回数、感染経路、抗体の持続期間をご紹介

ぽちゃま

 海外旅行で大きな心配事の一つは病気ですよね。
特に「細菌」や「ウイルス」が原因となる感染症は楽しい旅行を一気に台無しにするので何とか避けたいものです。
 今回はそんな病気に備えるワクチン接種について接種回数、感染経路、抗体の持続期間、接種施設をご紹介します。

ラナぴ

 ここに示す情報は一般的な目安としてご覧いただき、正確な情報は、必ず厚生労働省の公式情報、または渡航医学・感染症専門の医療機関に相談してくださいね。

A型肝炎 (Hepatitis A)

  • 症状:発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気・嘔吐、腹痛。数日後、黄疸(皮膚や眼が黄色くなる)が現れることがある。重症化することは稀だが、劇症肝炎に至ることもある。
  • 感染経路:主に経口感染。ウイルスに汚染された水や食べ物(特に生ものや加熱不十分な魚介類、氷など)を摂取することで感染する。
  • 接種回数:2回~3回接種(初回接種から2~4週間後に2回目、その後半年~1年後に3回目を接種することが多い)。
  • 抗体の持続期間:3回接種完了で、一般的に5年程度またはそれ以上の持続が期待される(ワクチンの種類による)。
  • 費用の目安:1回あたり7,000円~12,000円程度(自費診療)。
  • その他注意事項:流行地への渡航者や、衛生環境の悪い地域へ長期滞在する人に推奨される。

B型肝炎 (Hepatitis B)

  • 症状:倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸など。急性肝炎で終わることもあるが、一部は慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がんへ移行することがある。
  • 感染経路:血液や体液を介した感染。性行為、医療行為(輸血、注射針の使いまわしなど)、母子感染、カミソリや歯ブラシの共用など。
  • 接種回数:3回接種(例: 初回、1ヶ月後、6ヶ月後)。乳幼児は定期接種。
  • 抗体の持続期間:3回接種完了で、5年~10年以上の長期持続が期待される。
  • 費用の目安:1回あたり5,000円~10,000円程度(自費診療)。小児は定期接種で無料。
  • その他注意事項:全ての小児に定期接種として推奨されている。医療従事者や海外渡航者、性的接触の機会が多い人にも推奨される。

日本脳炎 (Japanese Encephalitis)

  • 症状:潜伏期を経て高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの中枢神経症状。致死率が高く、回復しても重い後遺症を残すことがある。
  • 感染経路:日本脳炎ウイルスを保有する蚊(コガタアカイエカ)に刺されることで感染する。ヒトからヒトへの直接感染はない。
  • 接種回数:通常2回(6日~28日間隔)+追加接種1回。
  • 抗体の持続期間:免疫効果の明確な持続期間を示すデータは限定的だがが、定期接種完了者で数年~10年程度とされている。
  • 費用の目安:定期接種の対象年齢は無料。対象外の場合は1回あたり7,000円~10,000円程度(自費診療)。
  • その他注意事項:流行地域(日本を含むアジア)への渡航者や、ブタの飼育に関わる人、対象年齢の小児は接種が強く推奨される。

破傷風 (Tetanus)

  • 症状:口が開けにくい(開口障害)、けいれん、全身の筋肉のこわばり。重症化すると全身の強直性けいれんや呼吸困難を起こし、高い致死率となる。
  • 感染経路:破傷風菌が土壌中に存在し、傷口から菌が体内に侵入することで感染する。ヒトからヒトへの直接感染はない。
  • 接種回数:成人は最終接種から10年ごとの追加接種が推奨される。未接種/不明の場合: 3回接種(例: 初回、1ヶ月後、6ヶ月後)。
  • 抗体の持続期間:最終接種から約10年。
  • 費用の目安:ジフテリア・破傷風(DT)は定期接種で無料。成人で単独接種またはDPT混合接種は1回あたり4,000円~8,000円程度(自費診療)。
  • その他注意事項:口から感染するため、特に土を扱う作業をする人、発展途上国へ渡航する人は10年ごとの追加接種が重要。四種混合ワクチンで予防。

狂犬病 (Rabies)

  • 症状:発熱、頭痛、倦怠感、咬まれた部分の異常感覚。進行すると恐水症(水を恐れる)、恐風症、興奮、けいれん、麻痺が起こり、発症後の治療法はなく、ほぼ100%死亡する。
  • 感染経路:狂犬病ウイルスを保有する哺乳類(犬、猫、コウモリなど)に咬まれたり、ひっかかれたりすることで感染する。
  • 接種回数:暴露前接種(予防)は3回接種(例: 初回、7日後、21日または28日後)。暴露後接種(発症予防)は咬まれた後に、直ちに複数回接種。免疫グロブリンの注射も必要となる場合がある。
  • 抗体の持続期間:暴露前接種完了で、通常2年~3年。
  • 費用の目安:1回あたり10,000円~20,000円程度(自費診療)。
  • その他注意事項:発生国(アジア、アフリカ、中南米など)へ渡航する人は予防接種が強く推奨される。予防接種をしていても、動物に咬まれたら直ちに傷口を洗い、医療機関を受診する必要がある。

黄熱病 (Yellow Fever)

  • 症状:発熱、頭痛、筋肉痛、吐き気・嘔吐。重症化すると黄疸、出血傾向、腎不全などを起こし、致死率が高い。
  • 感染経路:ウイルスを保有する蚊に刺されることで感染する。
  • 接種回数: 1回接種。
  • 抗体の持続期間:生涯有効。接種後10日目から有効とされる。
  • 費用の目安:検疫所や指定医療機関で接種。1回あたり15,000円~20,000円程度(自費診療、証明書代含む)。
  • その他注意事項:アフリカや中南米の一部の国への入国時、イエローカード(黄熱病予防接種国際証明書)の提示が必須。日本国内では、検疫所や厚生労働省が指定した医療機関でのみ接種可能です。

腸チフス (Typhoid Fever)

  • 症状:遷延する高熱、徐脈(脈拍が遅くなる)、バラ疹(胸や腹に赤い発疹)、腹痛、下痢または便秘。重症化すると腸管穿孔などを起こすことがある。
  • 感染経路:サルモネラ菌の一種(チフス菌)に汚染された食べ物や水の摂取による経口感染。
  • 接種回数:1回接種(輸入ワクチンを使用することが多い)。
  • 抗体の持続期間:ワクチンの種類により異なるが、一般的に3年程度とされている。
  • 費用の目安:1回あたり10,000円~15,000円程度(自費診療、輸入ワクチン)。
  • その他注意事項:衛生環境の悪い地域へ渡航する人、長期滞在者に推奨される。国内未承認の輸入ワクチンを使用する場合があるため、専門の医療機関で相談が必要。

ポリオ (Poliomyelitis)

  • 症状:ほとんどは不顕性感染または風邪のような軽い症状で済むが、一部で麻痺性のポリオを発症し、永続的な手足の麻痺や呼吸筋の麻痺を残すことがある。
  • 感染経路:ウイルスに汚染された食べ物や水を介した経口感染、または感染者の便や唾液などによる接触感染。
  • 接種回数:標準(定期接種: 四種混合または不活化ポリオ単独)は4回接種(小児期)。成人(追加接種)は流行地への渡航者や未接種者で、追加接種(通常1回)が推奨される。
  • 抗体の持続期間:小児期の定期接種完了で、長期(ほぼ生涯)にわたり持続するとされている。追加接種で数年。
  • 費用の目安:定期接種の対象年齢は無料。成人で単独接種は1回あたり5,000円~10,000円程度(自費診療)。
  • その他注意事項:一部の国で野生株またはワクチン由来株の流行が続いているため、渡航前に接種歴を確認することが重要。四種混合ワクチン。

髄膜炎 (Meningococcal Meningitis)

  • 症状:突然の高熱、激しい頭痛、嘔吐、意識障害、項部硬直(首の後ろが硬くなる)。重症化すると急速に敗血症(髄膜炎菌血症)に移行し、皮膚の出血斑やショック症状を呈し、致死率が高い病気。
  • 感染経路:感染者の咳、くしゃみなどによる飛沫感染や、キスなどによる直接接触で感染する。
  • 接種回数:1回接種(または数回接種、ワクチンの種類による)。
  • 持続期間:ワクチンの種類により異なるが、一般的に3年~5年程度とされている。
  • 費用の目安:1回あたり15,000円~25,000円程度(自費診療、輸入ワクチン)。
  • その他注意事項:サブサハラ・アフリカの「髄膜炎ベルト」地域やメッカ巡礼者など、流行地域への渡航者、留学生、集団生活をする人(寮生活など)に推奨される。

麻疹 (Measles)

  • 症状:発熱、咳、鼻水、眼の充血、コプリック斑(口腔内の白い斑点)が出現後、全身に赤い発疹が広がる。肺炎や中耳炎を合併しやすく、稀に麻疹脳炎など重い合併症を起こし、重篤化することがある。
  • 感染経路:空気感染、飛沫感染、接触感染。極めて感染力が強いウイルス。
  • 接種回数:2回接種が基本。接種歴や罹患歴が不明な場合は、抗体検査後に接種を検討。
  • 抗体の持続期間:2回接種完了で、ほぼ生涯の免疫が得られるとされている。
  • 費用の目安:定期接種の対象年齢は無料。対象外の場合は1回あたり8,000円~12,000円程度(自費診療、MR混合)。
  • その他注意事項:免疫を持たない人が感染するとほぼ100%発症する。定期接種対象者や、麻疹の流行がみられる国へ渡航する人は、接種が必須。

風疹 (Rubella)

  • 症状:発熱、発疹、リンパ節の腫れなど。一般的に麻疹よりも軽く済むが、大人がかかると重症化することがある。妊娠初期の女性が感染すると、胎児に先天性風疹症候群(CRS: 心臓病、難聴、白内障など)を引き起こす危険性がある。
  • 感染経路:飛沫感染、接触感染。
  • 接種回数:2回接種が基本。
  • 抗体の持続期間:2回接種完了で、ほぼ生涯の免疫が得られるとされている。
  • 費用の目安:定期接種の対象年齢は無料。対象外の場合は1回あたり8,000円~12,000円程度(自費診療、MR混合)。
  • その他注意事項:妊婦とその周囲の家族は特に注意が必要。特に、1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性は、公費での抗体検査・予防接種の対象となる場合がある(地方自治体による)。

参考:タイ バンコクのスネークファーム内にあるタイ赤十字社サオワパー記念研究所

ぽちゃま

 以上、主なワクチンについてご紹介しましたが複数のワクチンを接種するのは費用と時間が結構かかりますよね。
 そんな理由からタイのバンコクにあるタイ赤十字社サオワパー記念研究所は安価で信頼性の高い施設として長期旅行者に人気の施設です。

特徴とメリット

  • 信頼性
    タイ赤十字社が運営する歴史ある研究所で、狂犬病ワクチンや抗毒素(血清)の製造を行っており、品質面で高い信頼性がある。
  • 費用
    バンコクの私立病院と比べて、非常に安価に多くの種類の予防接種を受けることができる。特に狂犬病ワクチンの費用は、日本の約10分の1程度になることがある。
  • 提供される主なワクチン
    狂犬病(Rabies)、A型肝炎(Hepatitis A)、B型肝炎(Hepatitis B)、腸チフス(Typhoid)、日本脳炎(Japanese Encephalitis)、黄熱病(Yellow Fever)、麻疹・風疹・おたふくかぜ(MMR)、帯状疱疹(Shingles)など、多くの種類のワクチン接種が可能。
  • 黄熱病
    黄熱病のワクチンは、タイ国内で接種できる施設が限られているが、当研究所で接種が可能。

接種の手続きの流れ

ぽちゃま

接種の手続きは、混雑状況や時期により多少前後しますが、一般的には以下の流れとなります。

  1. 訪問・受付
    • ワクチン接種専用の窓口(建物)に向かいます(スネークファームの観光入口とは別の場所にあることが多いです)。
    • 自動受付機で整理券を取り、初診者登録用紙(簡単な問診票)を記入します。
    • パスポートを提示し、受付手続きを行います。
  2. 血圧測定
    • 指示された場所で血圧を測ります。
  3. 医師または看護師との面談・問診
    • 順番が来たら、医師または看護師と面談し、接種したいワクチンを伝えます。海外渡航の予定や過去の接種歴などに基づき、接種プランについて相談します。(簡単な英語でのコミュニケーションが可能です。)
    • 接種スケジュールや副作用、費用などの説明を受けます。
    • 処方箋を受け取ります。
  4. ワクチンの購入・支払い
    • 処方箋を持って、指定の窓口(薬局)でワクチン代を現金で支払い、ワクチンを受け取ります。
  5. 接種
    • 注射室で看護師にワクチンを渡し、接種してもらいます。
  6. 待機・帰宅
    • 接種後、体調変化がないか15分程度待機し、問題なければ帰宅となります。

施設情報

  • 住所:1871 Thanon Rama IV, Khwaeng Pathum Wan, Pathum Wan, Krung Thep Maha Nakhon 10330 タイ
  • 電話番号:+66 2 252 0161
  • 営業時間:平日(月~金) 9:00~16:30 頃まで 
         土曜日 9:00~12:00 頃まで
         日曜日・祝日 休診
    ※ワクチンの受付時間や最終診療時間は曜日によって異なる場合があります。土曜日は午前中のみで非常に混雑することが多いため、平日午前の早い時間の訪問が比較的スムーズです。

注意事項

  • パスポート: 必ず持参してください。初診登録やワクチンの購入に必要です。
  • 現金(バーツ): 支払いは基本的に現金(タイバーツ)のみとなります。
  • 接種記録: 過去に予防接種を受けた記録(母子手帳など)があれば持参すると、医師への情報提供に役立ちます。
  • 混雑: 格安で接種できるため、特に土曜日は非常に混み合います。時間には余裕を持って訪問してください。
  • その他:接種を希望される際は、最新の情報や受付時間を事前に研究所の公式情報などで確認することをおすすめします。

Q&A

  1. 日本とタイでワクチンの成分は同じですか? ⇒ はい、同じです。
  2. 1.2回目を日本で、3回目をタイで接種することはできますか? ⇒ はい、できます。
  3. 3回目の時期が1.2ヶ月ズレても問題ないですか? ⇒ 問題ないことが多いです。
  4. 1日に複数本のワクチンを接種することができますか? ⇒ はい、できます。
  5. 抗体が十分にある場合に接種しても問題ないですか? ⇒ はい、問題ありません。
ABOUT ME
ぽちゃま
 休日にお祭を追いかけながら旅を楽しんでいるぽちゃまです。元々旅が大好きな私ですが、お祭に合わせて旅をするとその旅がもっと豊かになる。そのことに気づき、多くの方にシェアしたくてこのブログを始めました。このブログによってあなたの旅がもっと楽しく、豊かになれば幸いです。